連載:1年半のスペイン生活(初日3)

鍵を持っていないと、玄関すら通れないため、指示された鍵をもらう場所に向かった。約20kgのスーツケース、パンパンに中の入ったリュック、ショルダーバッグとパソコンカバンをクロスがけして、歩くと5分ぐらいで汗ばんできた。

1月の初めだが、道端にある温度計を見ると気温は15℃ぐらいあり、冬用コートを着て、空腹と眠気を感じる者にとって、見知らぬ土地で10分歩くのは過酷だった。

やっと目的地に着くと、そこはカフェで、入ると何やら店員がこちらに向かって言葉を発した。Para llevarと行ったのだが、当時のスペイン語力ではそれも全くわからず、とりあえず、語学学校の居住許可証を出した。

すると、鍵の入った封筒を渡された。

空腹を満たすために、ショーケースに入ったボカディージョからチョリソーの入ったのを選びやっとゆっくりした時間を持てた。